この記事はフィクションです。ツギノテFICTIONが2126年の紙面という設定で書いており、登場する出来事・数値・団体はすべて架空のものです。

名前を変える届け出が、去年1年間で過去最多となりました。

ひとつの名前を使い続ける期間が、人生の長さに対して長くなりすぎていることが背景にあるとされています。

戸籍制度研究会によりますと、去年の届け出は12万4000件で、10年前のおよそ2.4倍でした。

最も多いのは80代から90代で、全体の6割を占めています。

理由としていちばん多く挙げられたのは、「その名前で自分を呼んでいた人たちが、もういないから」でした。

現在の制度では、生涯に2回まで改名が認められています。

3回目以降を求める声もありますが、研究会は慎重な立場をとっています。

一方、改名した人のうちおよそ3割が、5年以内に元の名前に戻していることも分かりました。

戻した理由として最も多かったのは、「呼ばれ慣れなかったから」です。

研究会の担当者は、この結果をこう見ています。

「名前は、自分で決めるものというより、呼ばれることで少しずつできあがるもののようです」

2年前に改名し、去年また元の名前に戻したという90代の男性は、こう話していました。

「新しい名前は、書くたびに他人の書類のように見えました。あれは私の名前ではなく、私が選んだ名前でした」