この記事はフィクションです。ツギノテFICTIONが2126年の紙面という設定で書いており、登場する出来事・数値・団体はすべて架空のものです。
都内の集合住宅で、敷地の境界線が屋上をまたいで通っているケースが表面化しています。
外皮が建物ごとに気候を作る仕組みが広まったことで、境界線の上にも季節の境目ができてしまうということです。
練馬区内のある団地では、隣り合う二棟が共有する屋上菜園の真ん中を、敷地の境界線が通っています。
片側はすでに秋を迎えていましたが、もう片側は今年新設された「残暑期」のままだったといいます。
境界は、屋上の上に引かれていた。
生活季節調整センターによりますと、敷地境界が屋上を横切る集合住宅は、都内で426棟確認されているということです。
この団地での季節の差は19日で、片方の住民が上着をはおり、もう片方が半袖のまま顔を合わせる場面もあったといいます。
「衣替えの時期を、屋上の端で二回やることになっています」
二棟の管理組合は、共同菜園の水やり当番や収穫祭の日程をめぐって協議を続けています。
すでに稲刈りの日をそろえる申し合わせを持つ屋上耕作連絡会も、境界をまたぐ物件の扱いについて検討を始めました。
生活季節調整センターへの同種の相談は、今年およそ890件にのぼっています。
センターの季節相談員は、こう話しています。
「外皮の設定は各棟の裁量に任されているため、境界の扱いは事前に取り決めておくしかありません」
管理組合の一人は、境界の上にベンチを置き、そこだけ好きな季節を選べる場所にする案も出ていると話していました。



