この記事はフィクションです。ツギノテFICTIONが2126年の紙面という設定で書いており、登場する出来事・数値・団体はすべて架空のものです。
発言はせず、うなずきや相づちだけを担当する人を会議に同席させる「相槌代行」の依頼が静かに増えています。
対面同席協会によりますと、登録している相槌代行はおよそ340人、依頼件数はこの2年でおよそ2.6倍になったということです。
依頼は1回あたりおよそ90分、相場は150共通点(円換算でおよそ1万5000円)ということです。
誰かがうなずくだけで、会議の空気が変わりました。
遠隔参加が当たり前になり、発言者以外の反応が画面越しに伝わりにくくなったことが、依頼が増える背景にあるとみられています。
依頼者の多くは、内容への同意を求めているのではなく、話しやすい空気をつくってほしいだけだといいます。
うなずきを機械に再現させる試みもありましたが、定着しませんでした。
同意しているかどうかは、その場にいる人の身体を通してしか伝わらず、録画にも要約にも残らないためだと協会は説明しています。
会議で使う自動通訳が間の長さまで訳せるようになった一方で、うなずきだけが人の手に残っている形です。
協会の担当者は、こう話しています。
「うなずきのタイミングだけを教える研修があるくらい、需要の細かさに驚いています」
依頼を続けている団体の担当者は、こう話していました。
「反応がある会議とない会議で、決まる速さが目に見えて違います」



