この記事はフィクションです。ツギノテFICTIONが2126年の紙面という設定で書いており、登場する出来事・数値・団体はすべて架空のものです。
学校の統合で使われなくなった校舎の再利用を巡り、地域内で用途の奪い合いが起きています。
空き校舎活用協議会によりますと、対象となる廃校は全国でおよそ2900校、活用の希望が競合している例はおよそ4割にのぼるということです。
空いた校舎ほど、欲しい人が多くなりました。
体育館のように壁のない大きな一続きの空間を持つ建物は、この30年で新築がおよそ9割減っており、廃校の体育館だけが希少な広い空間として取り合いになっています。
用途の希望は、屋内で行う集会や催しから、大人数を集める練習の場までさまざまです。
いま使われている学校の側にも、体育館を手放せない事情があります。
外の気候に当たる機会が少ない子どものために、外へ出る日を行事として組んでいる学校が多く、天候の急な変化に備えて広い屋内が要るためです。
膜落ちの日に外で遊べるかどうかも、その日の判断で決まります。
協議会の担当者は、こう話しています。
「教室の取り合いより、体育館という一つの空間をどう分け合うかで揉めています」
利用調整の会議に参加した住民は、こう話していました。
「同じ屋根の下を、こんなに多くの人が欲しがるとは思いませんでした」



