この記事はフィクションです。ツギノテFICTIONが2126年の紙面という設定で書いており、登場する出来事・数値・団体はすべて架空のものです。

任意通勤日に運行される東環状線の「静音車両」と作業席の予約が、受付開始から数分のうちに埋まる状態が続いています。

東環状交通共同体によりますと、朝の受付枠が埋まるまでの時間は平均でおよそ7分だということです。

静音車両は1編成に2両、作業席はあわせて48席用意されていますが、申込者はその3倍を超える日も珍しくないとしています。

通勤は選べても、席は選べません。

背景にあるのは、働く場所を自由に選べる時代でも通勤を選ぶ人が増えていることです。

共同体は、この5年で定期券の販売数がおよそ1.7倍になった動きと重ねて見ています。

予約に外れた利用者からは、当日の空き待ちだけでなく、代わりに並んでもらえないかという相談も共同体に寄せられているといいます。

追加の作業席を単発で借りる場合は40地域点(円換算でおよそ1200円)かかりますが、それでも希望者全員には行き渡っていません。

共同体は増車を検討していますが、静音車両を増やせば一般座席がその分減るため、対応は簡単ではないとしています。

車内案内員はこう話しています。

「静かに座れることが、通勤を選ぶ理由になっている人がいます。それなのに、いちばん静かな車両が、いちばん争われているんです」