この記事はフィクションです。ツギノテFICTIONが2126年の紙面という設定で書いており、登場する出来事・数値・団体はすべて架空のものです。
都市外皮共同修繕所は、集合住宅の発電窓を清掃する作業を、小型ロボットから清掃員の手作業へ戻す方針を決めました。
同修繕所によりますと、ロボットは発電効率の高い窓から清掃する設定になっており、発電量の少ない棟から「後回しにされている」という苦情が相次いでいたということです。
手作業への切り替え後、登録清掃員はおよそ950人にとどまり、清掃は1棟あたり月2回のところ、清掃待ちの平均日数はおよそ18日に延びています。
清掃の順番は週明けに更新される台帳で公開されており、住民は自分の棟が何番目かをいつでも確認できます。台帳を毎朝のぞく住民も増えているということです。
清掃員はこう話しています。
「順番は窓の汚れがひどい棟から機械的に決めています。それでも『あの棟が先なのはおかしい』という電話は減りません」
共用蓄電盤の発電量をめぐる相談は、この3年でおよそ3倍に増えたまま高止まりしており、清掃の遅れがその差をさらに広げているとみられています。
公平にしようとするほど、誰かを先にしないといけなくなる。
清掃待ちが長引く棟の住民はこう話しています。
「自分の家の電気がどこから来ているかなんて考えたこともなかったのに、今は毎週その話ばかりしています」



