この記事はフィクションです。ツギノテFICTIONが2126年の紙面という設定で書いており、登場する出来事・数値・団体はすべて架空のものです。
生活季節調整センターは、来年に予定される五季移行に伴い、屋上の作期をどの季節に位置づけるかを判定する際の参考資料として、全国およそ1200校の学校屋上に置かれた観測点の数値を採用しています。
観測点では教員と児童が交代で気温・湿度・稲の生育状況を記録し、週に一度センターへ送る仕組みです。
この取り組みは3年前、モデル校50校で始まりました。今年度までに1200校へ広がっています。
センターが判定に使う参考データの、およそ4割。
建物ごとに外皮の設定が異なるため、同じ町内でも学校の立地によって屋上の気候は大きく違い、公式の観測網だけでは地域ごとの実情をつかみきれないことが背景にあります。
屋上耕作連絡会が集計する刈り日の記録と突き合わせる作業も、この観測点のデータを使って進められています。
屋上の作期をどの季節に位置づけるかは、来年の五季移行までに結論を出す方針ですが、議論はまだまとまっていません。
一方で、学校の観測点が記録した数値と、周辺の建物を管理する都市外皮共同修繕所が独自に報告する数値とが食い違う例も各地で見つかっています。食い違いの割合はおよそ1割で、センターは記録の手順を統一する講習を今後増やす方針です。
生活季節調整センターによりますと、学校発の数値は屋上の作期を決める議論の「ものさしのひとつ」になっているということです。
観測点を担当する地域校の教諭は「自分たちが記録した数字が境界線を左右するかもしれないと思うと、子どもたちの記録する手つきも変わる」と話しています。



