この記事はフィクションです。ツギノテFICTIONが2126年の紙面という設定で書いており、登場する出来事・数値・団体はすべて架空のものです。

2020年代、外出前に携帯端末の画面を開き、充電の残量を確かめる行動が日常的に見られました。

未来史研究所によりますと、寄贈月間に届いた当時の端末の操作記録およそ4万6000件を分析した結果、画面を点灯させた直後にまず残量の表示へ目を向けていた例が71%に上ったということです。

残量が20%を切ると、理由もなく胸がざわつきました。

残量が20%を下回った状態を当時は「赤信号」と呼び、持ち歩く予備の電源を常に携えていた人は全体の58%に上ったとみられています。

端末は夜のあいだに決まった場所へ置いて電力を移す必要があり、置き忘れた朝には一日じゅう残量を気にして過ごしていたとの記録も残っているとしています。

この行動は、端末が自分で電力を持つ技術が広まったことでほぼ姿を消しました。

現在この感覚を説明できる人はおよそ0.2%にとどまっています。

未来史研究所は今月、寄贈月間の展示で、当時の端末を再現した模型を来場者へ公開しました。

模型に触れた来場者からは、数字が減っていくだけの表示をなぜ毎回見ていたのか分からないという声が上がったといいます。

研究員はこう話しています。

「残量を見るためだけに画面を開いた記録が、連絡を見るための記録より多い日がありました」

展示を訪れた来場者はこう話していました。

「数字が減るのを見て焦る理由が、見ても減る速さは変わらないのに全く分かりませんでした」